土地売却の税金・費用
相続した土地の売却税金|取得費・所有期間を引き継ぐ計算例
要するに
相続した土地の売却税金は、売却代金から引き継いだ取得費・譲渡費用等を差し引いた利益を基に計算します。土地売却の税金のうち、相続では親の購入時期・購入費の資料を探すことが先です。相続時の評価額を購入費として使うわけではありません。
相続した土地の取得費・所有期間は、原則として親から引継ぎ
相続により取得した土地は、亡くなった人の取得費と取得時期を原則として引き継ぎます。相続直後に売却しても、親が長年所有していた土地なら、所有期間の判定で親の取得時までさかのぼります。
売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超えるかどうかで、長期・短期を分けます。説明用に親が1995年に購入、子が2026年に相続・売却なら、原則として1995年の取得時から判定します。
2,000万円で売却、親の取得費が500万円だった場合
取得費が分からない場合の5%と、書類を探す意味
取得費が分からないときは、売った金額の5%相当額を取得費とする方法があります。実際の取得費が5%相当額より少ない場合にも使えます。5%は利益率や税率ではありません。
同じ2,000万円の売却例で概算取得費を使うと、取得費は100万円、譲渡費用100万円を差し引いた課税譲渡所得は1,800万円です。
この例では、取得費の差により税額試算が812,600円変わります。売却後に資料探しを始めるより、親の売買契約書、購入時の仲介料・登記等の領収書、当時の保管資料を先に探します。資料がない取得費を記憶だけで確定して申告しません。
相続税を払った場合の取得費加算は、期限と配分が重要
相続税の課税を受けた人が、相続等で取得した対象財産を一定期間内に売る場合、相続税の一定額を取得費へ加算できる制度があります。払った相続税全額を任意の土地へ足せる仕組みではありません。
対象期間は、相続開始日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までです。「相続してから3年以内」とだけ覚えると、正しい期限とずれます。相続税申告書と譲渡日を使い、日付で確認します。
売った財産に対応する相続税額等に基づく配分と限度があり、申告へ計算明細書等を添えます。取得費加算と相続空き家の特別控除は同じ物件で併用できないため、金額と要件を比較して選択します。
相続空き家の3,000万円控除は、土地だけの相続とは別
相続した土地なら何でも3,000万円を控除できるわけではありません。亡くなった人が住んでいた一定の家屋と敷地を相続し、建築時期・利用状況・売却期限等の条件を満たす必要があります。家屋と敷地を取得した相続人が3人以上の場合、2024年以後の譲渡では上限が2,000万円となる場合があります。
要件と、本人が住んでいた住宅の控除との違いは土地売却の3,000万円控除で確認します。特例で税額がゼロになる場合も、適用のための確定申告が必要です。
相続した土地を売る前に集める資料
- 取得の資料:親の売買契約書・取得費用の領収書
- 相続の資料:登記・遺産分割協議書・相続税申告書
- 売却の資料:売買契約書・仲介料等の領収書
- 特例の資料:自治体の確認書・解体や耐震工事等の証明
- 日付の一覧:親の取得日・相続開始日・売却予定日
相続人が複数なら、誰が所有者として売却し、代金をどう分けるかも先に整理します。申告書類と提出手順は土地売却の確定申告、手取り全体は親記事の土地売却の税金・費用へまとめています。
相続した土地の売却税金に関するよくある質問
相続してすぐ土地を売ると短期譲渡になりますか?
相続後の期間だけでは決まりません。原則として亡くなった人の取得時期を引き継ぎ、売却年の1月1日時点で判定します。
相続税評価額が2,000万円なら取得費も2,000万円ですか?
相続税評価額へ取得費を置き換える扱いではありません。親の取得費を原則引き継ぎ、一定の相続税の取得費加算が使えるかは別に確認します。
相続税を払っていなければ売却税もゼロですか?
相続税と売却時の譲渡所得課税は別です。相続税がかからなかった土地でも、売却益があれば取得費・譲渡費用・特例を使って税額を確認します。
出典・公式資料
- 国税庁No.3270:相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期(別タブ)
- 国税庁No.3208:長期譲渡所得の税額の計算(別タブ)
- 国税庁No.3258:取得費が分からないとき(別タブ)
- 国税庁No.3267:相続財産を譲渡した場合の取得費の特例(別タブ)
- 国税庁No.3306:被相続人の居住用財産を売ったときの特例(別タブ)
制度・操作方法は情報確認日時点。掲載の計算例は説明用の仮定であり、特定の土地の評価・税額を示すものではありません。