代償分割の土地評価額
代償分割の土地評価額は何を使う?代償金と相続税評価の違い
要するに
公開日: / 情報確認日:
代償金を決める評価と、相続税の評価を分ける
代償分割は、ある相続人が土地などの現物を取得し、ほかの相続人へ金銭などを交付する債務を負担する分け方です。土地を売って現金を分ける換価分割とは異なります。
同じ土地でも、評価の目的と時点が違えば金額も異なります。京都家庭裁判所の案内は、不動産の評価について相続人間で価格・評価方法を確認する考え方を示しています。税務上の計算は国税庁No.4173で別に確認します。
相続人間で合意する評価時点・資料・対象範囲
「土地は4,000万円」という金額だけでは、全体か持分か、いつの価格か、古家や借地権などを含むかが分かりません。
査定額が違う場合は、金額の平均だけで決めず、対象・時点・土地条件・価格の種類を照合します。公示地価や近隣の売出価格だけから、対象の土地の時価が確定するわけではありません。
協議で価格の合意が難しい場合は、不動産鑑定士による評価や、弁護士への相談、家庭裁判所の調停等を検討します。遺産分割調停の公式案内には必要な資料と手続がまとめられています。
時価6,000万円・相続税評価4,000万円の計算例
土地だけをA・Bの2人で分け、説明上の取得割合を各2分の1とします。分割時の通常の取引価額を6,000万円、相続開始時の相続税評価額を4,000万円と仮定し、Aが土地全体を取得してBへ現金3,000万円を支払う例です。特例・ほかの財産・債務は含めません。
代償金の合意例:6,000万円 × 1/2 = 3,000万円
3,000万円を支払うことと、相続税の計算で3,000万円をそのまま差し引くことは別です。代償分割の対象財産を特定し、代償金を分割時の通常の取引価額から決めた場合は、国税庁の取扱いに沿って相続税評価額との比率で調整します。
申告上の代償財産の価額:
3,000万円 ×(4,000万円 ÷ 6,000万円)= 2,000万円
表の2,000万円は納付する相続税額ではなく、課税価格の計算に使う金額です。実際には合意の根拠、相続人全員の協議内容、控除やほかの財産を確認します。合理的な別の方法による扱いもあり、例の比率をすべての代償分割へ一律に使うものではありません。
代償金の支払方法と申告を確認する順序
- 対象財産と評価根拠の整理
土地の資料、相続開始時の税務資料、分割の基準とする価格の根拠の準備
- 代償金と支払条件の協議
負担する金額、支払期限、資金の用意、取得する財産の範囲の確認
- 協議内容の書面化
誰が何を取得し、誰へいくら支払うか、算定根拠と支払条件の記録
- 申告計算と証拠資料の照合
税理士等との調整計算の確認、合意書・査定書・入出金記録の保管
現金の代わりに、相続人がもともと所有していた不動産を交付する場合は、現金払いと同じ税務処理にはなりません。国税庁No.4173は、交付する人に時価による譲渡所得課税が生じる扱いを示しています。現物を渡す案は、協議の確定前に税務を確認します。
相続税用の土地評価方法は相続する土地の評価額へ。代償金を用意するために土地を売却する場合の一般的な価格調査は売却相場の調べ方で確認できます。
代償分割の土地評価額に関するよくある質問
代償分割では固定資産税評価額を使ってもよいですか?
相続人間で評価方法の合意を確認します。固定資産税評価額が売却時の時価と同じとは限りません。税務上の相続税評価や調整計算も別に確認します。
代償分割の土地評価は、亡くなった日と分割する日のどちらですか?
遺産を分けるための評価は分割時を基本に検討し、相続税用の評価は相続開始時で確認します。評価資料の基準日をそろえ、協議で扱う時点を明記します。
相続税評価額の半分を払えば、公平な代償分割になりますか?
税務の評価額だけで、全員が納得できる代償金が決まるわけではありません。土地の取引価額、取得範囲、ほかの財産や負担も含めて合意します。
出典・公式資料
制度・操作方法は情報確認日時点。掲載の計算例は説明用の仮定であり、特定の土地の評価・税額を示すものではありません。