実勢価格と公的評価
公示地価と実勢価格の違い|何倍かより比較条件を確認
公示地価・基準地価と実勢価格は、対象と時点が違う
公示地価との乖離率は、どちらを基準にするかで変わる
以下は説明用の仮定です。同じ時期・似た用途の比較として、公示地価30万円/㎡、取引単価36万円/㎡を使います。実在する同一地点の観測値ではありません。
公示地価に対する取引単価の差は、(36 − 30)÷ 30 × 100 = +20%です。倍率は36 ÷ 30 = 1.2倍になります。
反対に取引単価を基準とすると、(30 − 36)÷ 36 × 100 ≒ −16.7%です。20%と16.7%の違いは、分母の違いによるものです。
坪単価は㎡単価×400÷121で換算し、小数第1位に丸めています。基準の地点と取引した土地が別なら、+20%を対象地の「値上がり率」とは表現できません。
実勢価格が公示地価の2倍・半分になる場合の確認項目
価格差があるときは、倍率を相場として覚える前に、比較している土地が似ているかを確認します。同じ町内でも、大通り沿いの商業地と住宅地の奥にある土地では利用方法が違います。
- 時点:1月1日・7月1日と契約日の間隔
- 用途:住宅地・店舗用地・事業用地の区分
- 規模:面積・分割のしやすさ・総額の価格帯
- 道路:幅員・公道と私道・建築上の接道
- 敷地:形状・高低差・造成や解体の負担
- 権利・事情:借地権・共有・隣地買増しなどの条件
たとえば、住宅地の標準地30万円/㎡と、店舗として使える幹線道路沿いの取引60万円/㎡を比べた場合、2倍という数字だけでは同じ住宅地の相場を示せません。差額をすべて人気や値上がりに帰する説明もできません。
土地と建物の総額を土地面積で割ると、土地単独の単価より大きく見えることもあります。混在した資料は土地・建物の価格の按分を確認してから比較します。
公示地価・基準地価を売却相場の参考にする手順
- 対象地の住所・地番・面積・道路・用途の整理
- 近い用途・条件の標準地と基準地の選定
- 評価日と取引時期の照合
- 土地単独の取引事例を複数抽出
- 単価差の理由と査定根拠の確認
不動産情報ライブラリの取引価格情報は、アンケート等を基に匿名化・加工された情報です。公開される情報だけで、個別物件のすべての事情が分かるわけではありません。
対象地と近い条件の成約資料が少ない場合は、比較できない条件を残したまま1つの金額に決めず、査定で採用した事例と補正理由を尋ねます。売却額の調査全体は自分の土地はいくらで売れるかを調べる方法で確認できます。
公示地価と実勢価格の差に関するよくある質問
公示地価より実勢価格が低い土地もありますか?
個別の取引では、公示地価より低い単価になる場合もあります。比較対象の用途・道路・形状・時点が違えば、一律の大小関係にはなりません。
基準地価を1.1倍すれば実勢価格になりますか?
基準地価にも一律の換算倍率はありません。7月1日の基準地と売買する土地の条件を照合します。公示地価と基準地価の制度比較は公示地価・基準地価の違いへまとめています。
東京・23区なら公示地価の何倍ですか?
東京・23区全体へ同じ倍率を当てはめることはできません。地域・用途・道路・面積を絞った取引と比較します。価格の地域別確認は東京都の土地価格から進められます。
出典・公式資料
制度・操作方法は情報確認日時点。掲載の計算例は説明用の仮定であり、特定の土地の評価・税額を示すものではありません。